踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
◆第7章~終焉の序章

*思慮



 筒井は部屋出たあと、足早にモニタールームに向かう。

「どうだ」

 言ってのぞき込んだディスプレイには、翼(つばさ)の後ろ姿とその前で椅子に拘束されている戒(カイ)が映っていた。

<翼! 考え直せ>

<もう遅いよ>

 ディスプレイに内臓されているスピーカーから2人の会話が流れる。

 筒井はその光景に目を細め、苦い表情を浮かべた。

「どうだ」

 遅れて戸塚が部屋に入ってくる。

「言い争っています」


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