踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
◆第8章~幕は下ろされた
*哀しみの微笑み
次の朝──戸塚は翼(つばさ)を呼び出し朝食を共にする。
「いくらでも食べたまへ」
先日よりも戸塚の触れる手がエスカレートしているが、約束した以上は仕方がない。
我慢して料理に手を伸ばし、その味に笑みを浮かべると戸塚も嬉しそうに笑う。
扉のそばでガードついでに見ている筒井は、気持ち悪い光景に目を逸らした。
そうして食事を終えた翼は、昨日と同じように料理を手に部屋に戻る──それを確認した戸塚はモニタールームに向かう。
部屋の前に到着すると、後ろにいる筒井に目配せしてドアを開いた。