踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>


 地下──

<この声が聞こえているか>

 真仁は、聞こえてきた音声に眉を寄せた。

「!」

 真仁と会話を交わしていた烈(レツ)も驚く。

 簡単な無線機でも受信出来る波長で流されている、それが戸塚だと理解するのに時間はかからなかった。

<戒は預かっている。返してほしければ1人で来い>

「! 戒が!?」

 烈は、目を丸くして真仁を見やった。
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