踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
 戸塚という男と数日接したが、何故あの男がリーダーとして務まっていたのか不思議で仕方がない。

「戸塚は確かに人として最低だったけど、人を集める能力にかけては優秀だったんだ」

 筒井は人を動かす能力に長けてはいるけど、集める能力には欠けている。

「スペアのなくなった敵が定数のまま戦うボクに勝てると思う?」

 真仁は無表情に言い放ち、口の端を吊り上げた。

「……」

 戒と翼は互いに顔を見合わせ、真仁に肩をすくめる。

「解ればよろしい」

 青年は得意げに薄笑いを浮かべて、ヘッドセットを分解した。



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