踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>

*レプリカ


 翼たちの参戦に際し、準備を始めた真仁を視界に捉えながら戒は再び周囲を見回す。

「彼らは」

「うん、クローンだよ。主に風俗店で働いていたクローンだけど」

 作業をしながら説明した。

「中には、預かってくれと言われて預かってるクローンもいるけどね」

 翼は真仁の言葉に喉を詰まらせ、戒に視線を移した。

「戒は、どうしてクローンを造らなかったの?」

 躊躇いながら問いかける。

「クローンはコピーじゃない」

 か細い問いかけに瞠目(どうもく)しつつも、わずらわしげに答えた。
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