踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
「ボクは断ったんだけどね。どうしてもってうるさくて」

 真仁は肩をすくめて腕を組んだ。

「前線には出られんが、後方支援なら出来る。ハンターの事をよく知る者がいた方がいいだろう」

 そう言って、ハンタードッグを引退し田舎で隠居生活(いんきょせいかつ)をしていた烈は、品の良い紺色スーツの襟(えり)に触れる。

 彼のスタイルは紳士的な服装と戦法だったなと、戒は思い起こし瞳を細めた。

「殺す側から守る側に回るのだ。このチャンスを見逃すわしではない」

 戒は烈の言葉に、戒たちは薄く笑った。


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