踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
◆第3章~堂に入っては堂に従え

*含み



 次の日──

「ここが戸塚の拠点だと思うんだ」

 真仁は、目の前にあるパソコンのディスプレイに映されている地形に指を示す。

「大使館か?」

「旧ロシア大使館さ、彼らしい選択だよ」

 皮肉混じりに発すると、戒はその画像を見つめて小さく唸った。

「確証は掴めてないんだな?」

「うん、まだ予想の域を出ていないけどね。でもほぼ間違いないと思う」

 キーを打つと、赤いマークがいくつか示された。

「丸いマークが監視カメラ。四角いマークがその時に確認出来た武装している人間」

 都心から西の住宅街の端に位置している建物で、敷地面積は確かに広いようだ。
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