踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
「周囲はすでに戦闘で家屋が破壊されてて、視界が邪魔されない場所になってるんだ」

「ふむ、戸塚について知っていることは?」

 真仁はそれに、苦い表情を浮かべた。

「そうだね、彼はとても臆病だと思う。でも権力とかには強欲かな。ついでに言えばショタコンだね」

「ほう?」

 戒は関心するようにつぶやき、ちらりと仲間と談笑している翼を見やった。

「やや歳は食ってるか」

「彼の好みだと思うよ」

 しばらくの沈黙が続き──

「とりあえず揺さぶりにかかる」

「派手によろしくね」

 言い合って戒は歩き出した。

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