踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>


「翼!」

「いたた……だ、大丈夫。かすっただけ」

 戒たちが着ているボディスーツは、正面からの衝撃には強いが横の擦れには弱い。

 銃弾が走るほどの速度だと、やはり負傷は免れない。

 戒はバンダナを取り出し翼の肩を強く縛った。

「……っ」

 思わず小さく唸った翼に、戒は安心させるように目を合わせる。

<今回はここまでにしよう>

 真仁の指示に戒たちは素早く退いた。


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