踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
「翼クン大丈夫?」
肩を押さえて帰ってきた翼に真仁が声をかける。
「大丈夫だって。そんなに深くないから」
戒に促され、翼はホームの端でパイプイスに腰掛けた。
服を脱がせ怪我の具合を確かめる。
「縫うぞ」
「ええっ!?」
戒が手を差し出すと、仲間がソーイングキットをその手に乗せた。
「我慢しろ」
「うへぇ~」
50度の酒に針を浸し、消毒している様子をげんなりして見つめる。