踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
 裂けた部分にも酒を塗られ声を上げた。

「せめて消毒液にしてよ~」

「ごちゃごちゃ言うと痛くするぞ」

 翼は黙り込んだ。

「い──っ!?」

 拳を強く握りしめ、必死に痛みに耐えた。

「終わりだ」

「はぁ~……」

 戒が離れると、別の仲間が包帯を巻いていく。

「!」

 ニヤニヤと笑っている真仁に戒は怪訝な表情を浮かべる。
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