踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
*赤に染まった日
「どういう事だ」
戒(カイ)は改めて見回し、真仁(まひと)に向き直る。
「あれから1年、突然の呼び出しに驚いて来てみれば」
「君たちが日本を離れてすぐだったかな」
20代後半の青年は腕を組んで小さく笑みを浮かべた。
真仁は地下鉄の次の駅に続く線路の先……暗闇を見つめながら語り始めた。
「クローン狩り」を行うための「牧場」を運営していた企業のトップ、数人が国際手配された。