踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>


 真仁たちと合流し、まだ機器の設置を続けている様子を眺めながら水を飲む。

「戒」

 肩を守りながら笑顔で歩み寄る翼に、軽く手を挙げて応えた。

「どうだった?」

「とりあえずこちらの負傷者はゼロだ」

  答えた戒に翼がすいと絆創膏(バンソウコウ)を差し出す。

「?」

 怪訝な表情を浮かべていると、翼がちょいちょいと自分の右頬を指差した。

「!」

「負傷者1名だね」

 発して戒の頬に絆創膏を貼り付けた。


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