MISSION〜ターゲットはキミの唇〜
下校中…
やっぱり、華が変

横目で、俺の様子をうかがってくる

次に、俺の口元をガン見してくる

ガン見したかと思うと、頬を染めてうつむく

そして、横目で…

の、繰り返し

なんだ?
俺の口に何か付いてるのか?


「あ、あのねっ!雪ちゃんっ!」


考えていると、華が立ち止まり俺を呼ぶ


「ん?」


華が止まれば、俺も止まる

「あ…あ、あのね」


口を開いた華は、ゆでダコのように、真っ赤だ

真っ赤な華は、次は魚のように、口をパクパクさせている





あ…
なんとなく分かったかも…
華が何を言いたいか


「…華?」


言葉の続きは?
もし、違ったら嫌だし

それに…
華の口から言われたい


「あっあのね!キ『石焼〜き芋〜お芋っ♪』」


華の言葉が、石焼き芋売りに遮られる

が、聞こえた

俺の読みが当たった

"キスがしたいの"って
可愛すぎだろ


「何?ごめん。聞こえなかった。もぅ1回言って?」


はっきり聞きたい

だから、聞こえたけど
聞こえなかったふりをした
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