刻の無い少女
「うっ…ろ……。」
いまだに口付けは終らず、離してはまた口付けるその繰り返しだった。
意識がもうろうとする中で鵯はか細い声で虚を呼んだ。
とたん我に返ったように、はっとした虚は目を見開いた。
艶めいた唇
潤んだ瞳
ぼんやりとした目でこちらを見る鵯の頬に手を添える。
それが本物の鵯であるかを確かめるように。
「虚……?」
「………しばらく待っていてくれ。必ず戻るから…。」
「うん。待ってる。」