幸せの見つけかた
そして慌てた様子で、歩道を走ってる。




「これって……」


画面を見ながら呟くと


「この方が、お見合い相手です。」


と、冷静な声が返ってきた。



「はっ? 誰なの?この人。」



「ですから、お見合いの…」


「そうじゃなくて!」



さすがにイラだち、妖精の声をさえぎる。



「普通、相手の名前とか年とか仕事とか…、そういうのを教えてもらって、会うか決めるんだろ?」




「そういうものは知らせるなと、お婆さまからの命令です。 そういうものを抜きにして、この女性と会いたいと思うか、お付き合いしてみたいと思うか… 心で感じろと。」



あくまでも冷静な、凛とした声が返ってくる。






< 13 / 204 >

この作品をシェア

pagetop