幸せの見つけかた
「ね、友達でいようよ、良平くん。それなら… ずっと付き合っていけるよ。」





「…友達って…」




そんなの、無理に決まってんだろ。






「もともと、結婚なんてしないつもりだったの。仲の悪い両親を見てきて、竜彦に裏切られて…。 愛とか、結婚とか… 何も信じられなかった。」





そんな寂しい事、言うなよ。









しばらくの間、二人とも黙っていた。




「私、そろそろ行くね。良平くんは、どうする?」





「…もう少し、ここにいるよ。」




「そう…。」



彼女は立ち上がり、俺の方へ振り返った。





「じゃあ…ね。」



「うん。」






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