ヤンデレ彼氏に監禁されて ~彼と彼女が出会ったわけ~
「赤羽冴子です!」
「川口葉でーす!」
時間はさほどなかった。
横から入る槍。つまりは横槍のせいで、彼との会話はなかったことにされた。
ここぞとばかりに踏み込む女性陣。
狙いはこいつっ、と決めたらしく、お酒の力を借りてばんばん質問していた。
お仕事は?好きなタイプは?とか大胆すぎんだろうと思うものまで。
お酒を飲まない栂さんはソフトドリンクを片手にやんわりと答えていった。
いい人なんだろう。
騒がしい酔っ払い相手にまるで嫌な顔をしない。
社交性抜群なあたりも見ればプラスな人。
「あいつくっと、女子のテンションあがんだよなー」
よっこらせと私の隣に座る吉田さん。
おいっ、と言おうにも言えず、近づく人は更に馴れ馴れしくなった。