1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】
「違う違う違う違う!! 僕は何もしてない!」
「ごちゃごちゃうるせぇ! てめぇみたいな男は、女に快楽を与えれば自分の思い通りになるって勘違いしてんだろ?」
ずっと黙っていたエミちゃんが、半狂乱に陥ってる息子を怒鳴り付けた。
「女は男の性欲を満たすための道具じゃない。ラミカちゃんが無事でよかった……私みたいな思いをしなくて……よかった」
「……エミ、お前はもう車の中にいろ。ラミカちゃんも」
恒に促されて、エミちゃんは車の中に戻った。そして、ラミカも助手席のドアを開けて車に乗せた。
「うちの嫁は性犯罪の被害者でね、だから詳しいんですよ。レイプする男の半数が性癖だそうです。息子さんも精神科か心療内科に連れて行くことをお勧めします。犯罪を犯す前にね」
恒はそれだけ言うと、車に戻ってエミちゃんを抱き締めていた。
辛いこと……思い出させてしまったな。
「違う! 僕は……僕は……」
「拓也、落ち着け。きちんと話をしよう。陽子さんも立って」
幸せに見えた家族は、一気に仮面が剥がれ落ちて不幸のどん底に堕ちた。
ただ、泣いていた。
みんなが、泣いていて
俺は車に乗り、助手席で泣いているラミカの手を握って、ホテルへと帰って行った。