1LDKヤクザ彼氏と秘密の同居生活【完】



「……3日って、まさか娘を残して夜逃げじゃねーだろうな?」


「そういえば変なこと言ってたよ。いきなり『解散!』って」


「は?」


「あの芸人のパクリでしょ? これからは自由に独立して生きていこうだって。笑っちゃった!」


「笑えねーよ! ちょっ……母ちゃんはいるんだろ?」



ヤクザのお兄さんは煙草を地面に叩き落として靴で踏み潰すと、真剣な表情であたしに詰め寄ってきた。



「お母さん? 数ヶ月前に離婚したよ。お母さんはあたしについて来いって言ってくれたけど、あたし高3だし。今さら転校したくないからお父さんのほうに残ることにしたの」


「……お前、バカだ……超絶バカだ」



顔に手を当てて、眉間にシワを寄せているお兄さん。何でバカなの?わけ分かんないし。





< 4 / 262 >

この作品をシェア

pagetop