【完】無知な彼女の周り
■土産物屋


「お待たせしました」

部屋から出るともうみんな出ていた。

「せっかくだから温泉街に行こうか」

「はい。行きます」

そんなに有名ではないがここもちょっとした温泉街
何かと栄えているようだ

「髪の毛あげたの?」

可奈子ちゃんが聞いてきた。自分もすればよかったって言う口調だったから、なんか悪い気がする

「うん。あげてもらったの。ごめんね、声かければ良かったよね」

「ううん、ただかわいいなって思っただけだよ」

「ありがとう」

やっぱりいい子だ

温泉街は旅館から近くて、平日といえど多くの人でにぎわっていた

「どこ行こうか?」

「そこの一番大きな土産物屋なら何でもあるんじゃない?」

「じゃあ、そこに行こうか」

一番大きなところはお菓子とか、キーホルダーとか、アクセサリーとかとにかく数も種類もかなりある。何時間かはいれるような立派なところ

「ほら、手出せ。人多いから迷うぞ」

「なに気取ってんの?」

誠が気取ってる。迷ったって、少し歩けばみんないるのに。そういってみんなまちまちに買い物を始める。

私が思うに、こういうみやげ物のお菓子って、結構一緒だよね。ちがうのはパッケージとか、たまに焼印が入ってるってぐらいの差にしか思えない

そんな皮肉れた私がここで何かほしいなんて思うわけないでしょ


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