かたっぽうの恋


――だけど、見ず知らずの人に相談なんて…



きっと他人事に聞いて、綺麗事を言われて終わり。





そう言う気持ちもある、だけど…


だけど、このまま見てるだけなんて…。



歯痒いっ、歯ぎしりが止まらないほどイライラすると思う。


「―――っ、」


ギュッと自分の制服の裾を掴んで、教室にいる二宮くんを見た。



このままじゃ、なにも変わらないよね。










―――――――
―――放課後、





「き、来ちゃった…」



生徒指導室の前に…。




「――っ」


えっと どうしよう…。中に実習生さんいるのかな?


よし、ドアをノックしよう。





緊張して、動きがカクカクする!




ギュッと手を握りしめて、右手でドアをノックした。



――コンコンコン!



「――ふぅ、よし………」











返事もなければ、出ても来ない。





――あれ?




なんで、帰った??





あ、もしかして。





ドアに鍵かかってたりする?



ガチャガチャとドアノブを回すと、ドアは普通に開いて……。



「―――、?」


とりあえず、中に入ってみようと部屋に足を1歩、2歩。

指導室の中は2つ部屋があった。



入口の手前の部屋には、机を真ん中に挟んでソファーが2つ 。

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