たった一つのプレゼント





ある日の学校の放課後


「あの、永野さん」


同じクラスの
和泉(イズミ)君が話しかけてきた。




私に言い寄る男は
中学も高校も
毎日のようにいた。


でも彼は違う。


口説くとか

そんなんじゃない


誰でも平等に
接してくれる。



「昨日の学年アンケート、
 書いてくれた?」



「あっ…ごめん。
 今書くからちょっと待って」




そんな彼は


学級委員長の硬派な
モテモテ眼鏡君。




「字、綺麗だね」


「そう?初めて言われた」



なんだか気遣いが上手い人。
この人に褒められたら
女子はコロッと落ちてしまう。



私には
迅の存在がいたから
考えられなかったけど。


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