たった一つのプレゼント



「よかった」



ベースを弾く私の隣で
迅は呟いた。


「なに?」


「いや……」


「……意味わかんない」



迅は口角を
少しあげて微笑んだ。


最近


迅は表情豊かになった気がする。

そんな彼に
私も微笑んだ。






ねぇ



いつだって
そばにいてくれた。


必ず
私を救ってくれた。




もし私が
本当にどん底まで
突き落とされても

助けてくれる?





あの時


やっぱりあなたは





私を救ってくれたね。











『永野魅麗さんですか?
 お母様が………―――――』





あの電話一本


こんな事が本当に
起こってしまうなんて。



ごめんね、と
言ってくれたのに。


お母さんは
戻ってきてくれると
信じていたのに。




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