たった一つのプレゼント


行きなれた部屋の香りは
なんだか安心する。


「迅、本当に
 一緒の部屋でいいの?」


「毎日のように俺ら
 一緒にいたんだし
 今更どうってことも
 ねぇだろ」


「……………ごめんね」


「……………なんで
 謝んだよ…」


「うん、………ごめん」



やっぱり

迅といると


落ち着くんだ



「ベットと布団どっちがいい?」


「迅の好きでいいよ」



夜になって
布団を敷いた迅が
問い掛けた。



「じゃ、俺布団」



小さい頃した
お泊りを思い出す。


あの頃は
一つの布団で寝たっけ。


こんな事が起きるなんて
全く思っていなかった


ただ純粋に生きていて




私は迅のベットで
いつも考えこむ時

自分のベットでしていたように
外を眺めていた。


正式に言えば
隣の家の窓を。


隣の自分の部屋の窓






うずくまりながら座って

なんだか寝れずに



ぼーっと隣の窓を眺めた。



< 50 / 106 >

この作品をシェア

pagetop