たった一つのプレゼント



和泉君は驚いていた。


多分私は
男遊びが激しいイメージが
強かったから

彼氏の一人や二人は
いても可笑しくないと
思われていたんだろう。




「だけどね、迅は
 ちゃんと好きな人だって
 彼女だっていたの。
 あたしと違って
 ちゃんと周りを見ていて…」





なんだか急に
切なくなって


私はうつむいて
涙をこらえながら話した。






「きょうだい以上には
 なれないから………」







迅に自分の想いを
伝える事もないだろうし


そうやって
関係が崩れるのなら


きょうだいの様なままで
ずっと側にいたかった。





「須藤は…」




真剣に話を聞いていた
和泉君が口を開いた。



「気づいてないだけだと
 思うけどな…」



「どうゆうこと?」



「俺に嫉妬心剥き出しで…
 ちゃんと永野さんの事
 見ていると思うけどな」



「嫉妬心って……。」


「須藤には敵わないな。
 俺は永野さんが幸せなら
 それを見守るよ。」



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