臆病者ノ唄
腹を押さえ、咳込みながら石沢は激しく泣いた。
俺がトイレを出ると、文明と祐樹はニタニタと楽しげに笑っていた。
「大作、こえぇ。」
文明のその一言に苛立ちを押さえられず、俺はすれ違い様に文明の肩を掴んで言った。
「文明、今度からお前がムカついたんなら、お前がしめろや。」
文明は少し驚いた顔をしたが、すぐにおちゃらけて「ごめんごめん、友達の事悪く言われて俺もムカついてたんだよなー。」と言った。