記憶喪失な彼氏とおちゃめな彼女
第二章*記憶喪失な彼氏
「ふぁぁ~」
「かっ海斗!?大丈夫?」
「誰?」
「えっ…」
「お前誰?」
「嘘でしょ?」
「何で俺が嘘つかなきゃいけねぇんだよ。しかも初対面のやつに」
「冗談やめてよ…びっくりするじゃん…」
「本気だし」
「えっ…」
「てか、用ねぇなら出てけよ」
ボンッ…
「いった…」
あたしはクッションを投げられた。
「うっうっうっ…」
そうだ…
美希に電話しなきゃ…
ケータイを取りだし、泣いているせいか指が震えてボタンが押せない。
プルルル… ガチャ。
『もしもし』
『…』
『もしもーし?』
『…』
『成美でしょ?何かあった?』
『海斗が…海斗が~』
『海斗君がどうしたの?』
『あたしの事…知らないって…』
『嘘…明日、病院で先生に聞いてみよ?』
『うん…』
海斗…
あたし達付き合ってるんだよ…
ラブラブなんだよ。
何で、あたしの事知らないの?
思い出してよ…