先生~あなたに届くまで~

プリントを集める先生の手を見つめる。


“また明日会える”


そう自分に言い聞かせるけど
心はついていかない。

もう少し...
あともう少し...一緒にいたい。


「先生...。」

小さな声で呟くと先生の声が
私の声をかき消した。

「よしっ!!
 送っていくか!!」

「えっ?」

「今日は仕事を手伝わせたからな!!」

「いいんですか?」

驚く私に先生は

「おう!!
 仕事を手伝ってくれた礼だから
 問題ないだろ。」

そうニカッと笑った。


もう少し一緒にいれる。
ただそれだけで心は温かくなった。


「よし行くか!!」

そう言った先生に
素直に笑い返した。






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先生?

今だって何も変わってない。

ただ少しでも一緒にいたい。

ただそれだけなのに....


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