先生~あなたに届くまで~

先生はいつだってちゃんと
私を見てくれてる。

私だけではなくて
生徒みんなをちゃんと見守ってる。


そんな先生が本当に好き。


今はもうどうしようもなく

先生が好き。


「浅川。
 お前の家で何があった?

 俺に話せる?」

先生はパソコンを打つ手を止めて
優しく笑いかけた。


私は先生の方を見て笑い返すと
コクリっと頷いた。

そして春菜と早絵に話した事を
先生に話し始める。



両親が一度離婚した事。

私のせいでお母さんが再婚しなくては
いけなくなった事。

お父さんがお母さんに手を上げてた事。

小6の夜に“雪音さえいなければ”
とお父さんが言ったのを聞いた事。

今はお父さんが帰ってきてない事。

そのせいでお母さんが働きづめな事。



「そうか。
 お前頑張ってきたんだな。

 でもな浅川。
 お前が自分を責めることは
 一つもないよ。

 いいか。
 お前のお父さんもお母さんも
 自分の意思で全部決断されたんだ。

 それはお前の為でも
 お前のせいでもないよ。

 だからお前ももう自分を責めるな。

 まぁすぐには難しいだろうけどな。」

先生はそう言って
また柔らかく笑ってくれた。


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