先生~あなたに届くまで~

“まずい。また自分の世界に”

そう思って顔をあげると
春菜のニヤニヤ顔と早絵の呆れ顔。


「雪音。
 思いを馳せるのはいいけど
 登校中は危ないからやめなさい。」

「ほんっっと好きだね~♪」

二人の言葉を聞いて私は苦笑い。



夏休み前に先生に告白した事を
次の日二人にも話しをした。


「やっぱり駄目だった。」

笑いながら言う私の言葉に

春菜は泣いてくれた。

そして早絵は私を抱きしめた。

「笑わなくていい。
 慰めるために私達がいるって
 言ったでしょ?」

早絵の言葉に私は泣き崩れた。


二人のおかげで泣けたからか

先生の返事を予想出来ていたからか

自分で思っていたより
落ち込まずに済んだ。


それから1ヶ月くらいは
良い生徒でいれるように
これ以上好きにならないように

そう思っていたけど

思ってるだけで
一つも上手くいかなかった。


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