先生~あなたに届くまで~

先生のことになると
本当に自分が見えなくなってしまうから

自分で自分が恐ろしい。


「それで何言ったの?」

早絵が珍しく興味津津なので

どれほど先生が狼狽していたかが
目に浮かんだ。


そして私は二人に
自分が先生に言った事を話した。


すると早絵は笑って

「なかなか言うわね。」と感心していた。

春菜はというと

「だからスッキリか♪」と納得したって
様子だった。


「じゃあ今日の放課後どうするの?」

春菜は思い出したように尋ねる。

「んぅ、どうしよう。
 会っても私上手く話せないだろうし。

 それに渡辺君を好きになれるとは
 思えないな。」

私がそう言うと

春菜は「そうだよね」と頷いた。

早絵も「確かに」と頷いたけど


「今回だけは行ってみたら?
 健君もあれだけ喜んでたし...

 渡辺君だって
 勇気だして健君に頼んだんじゃない?。」

と私に提案してくれた。


確かに今さら断るのもなぁと思って

「そうだね。今回だけ。」

私は頷いた。



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