先生~あなたに届くまで~

「ちゃんと泣かさないようにしますね。」

優輝は少し真面目なトーンで
先生の背中に向かって返事した。

先生は片方の手をひらひら降って
振り返ることなく歩いていった。

私も先生の背中に「先生!!さよなら。」と
声をかけた。

先生はやっぱり振り返ることなく
「気をつけて帰れよー」と手を降った。

これで本当に終わり。

先生さようなら。

優輝は私の気持ちに気づいたのか
そっと肩を引き寄せた。



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先生?

忘れることは好きになることより
難しいことを知りました。

さよなら。

何度でも繰り返すよ。

さよなら。

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