先生~あなたに届くまで~

言葉にした真実


図書室の扉の前で深呼吸をする。


“2人に先生の事話そう”


そう決めてここまで戻ってきた。

2人のことは大好きだった。
信頼も出来るし
何より一緒にいて楽しかった。

だけど私はいつも心のどこかで
壁を作っていた。


“これ以上親しくならないように”
“後で傷つかないように”


いつも心のどこかで思っていた。

だから自分のことを話したり
愚痴や弱音を言ったり
悩みを相談したりする事に抵抗があった。


それはきっと2人が大切だったから。

失くしたときに自分がどれ程傷つくか
想像出来た。

だから好きになればなるほど
自分で勝手に壁を作って自分を守っていた。


私は....ずるい。


“雪音さえ、いなければな”
お父さんの声がまた聞こえた。

決心が少し鈍る。

だけど

“お前の周りにいる人は
 浅川が弱い所を見せても
 きちんと受け止めてくれる人だと俺は思うよ”

今度は先生の声がする。


大丈夫。
ちゃんと向き合ってみよう。


私は図書室の扉を開けた。


< 90 / 220 >

この作品をシェア

pagetop