銀色の瞳に映るモノ
「あんた、面白いな。」
そういって、黒燈は少し笑った。
初めて見た黒燈の笑顔は、予想以上に綺麗でつい目を奪われた。
黒燈は私の隣に座り、売店で買ってきたパンを広げはじめた。
それまで石像のように固まっていた美和がハッとして、話し出した。
「っっってか、白銀君なんでここにいんの?」
「なんで、って俺まだ転校してきたばかりで友達いないし、隣の席から攻めんのが常識でしょ。」
モグモグとパンを頬張りながら黒燈は淡々と答えた。
黒燈は平然としていたが、私達にとってはただ事ではない。
いつも通りに話してるつもりがなんだかぎこちない。
「…やっぱ迷惑だった?」
黒燈は悲しそうな瞳でそういった。
私達はつい黒燈のその問いかけに沈黙で答えてしまった。
「悪い、邪魔したね。」
黒燈が「よっ」と声を出して立ち上がりそう言って笑った。
その表情は先程見た笑顔と変わらないようで、全然違っていた。