オレンジ*ロード




彼女とはそれからちょくちょく話しをするようになった


学校の事、
家族の事、
将来の事、

友達に話せない事もなぜか彼女には話す事が出来た



『なんでだろ?私、幸汰君にはなんでも話せる』


ある日の帰り道、自転車に乗った彼女が言った


偶然にも帰る方向が同じだった俺達は時々こうして鉢合わせになる事が多かった


彼女は俺を見つけるとピタリと自転車を横に付け話しかける


俺も同じように彼女を見つけると自然に話しかけていた


“なんでだろ?私、幸汰君にはなんでも話せる”


彼女も俺と同じ気持ちなんだと思って、なんだか嬉しかった


高校生の思春期に男女が一緒に帰っていたら嫌でも周りからからかわれる

特にこんな田舎町じゃ余計に噂の的になるけど、俺も彼女も全く気にしてなかった


多分きっと、少なからず俺は彼女に好意を抱いていたんだと思う


俺以外にも彼女の事を好きな男子はいっぱい居るけど、

俺は彼女を独占したいとは思わなかった


彼女はみんなの人気者で、沢山の人に囲まれているのが彼女自身だと思っていたから





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