smooch【BL/完結】


――クリスマスに彼は、
どでかい縫いぐるみを抱えてやってきた。
それは母親の恋人からのプレゼントだそうだ。

年齢とか性別とか勘違いしてるんじゃないかとブツクサ言いながらも、
彼はそれを割と気に入ったみたいだ。
……使い道はクッション代わりだけれど。


それを何故、うちに持ってきたのか。

渡されたのは外で食事をした際で、
帰りにまっすぐここへ来たからだ。

ちなみにその日も彼は、親たちのいちゃつきっぷりに耐え切れなく、途中離脱した。
その後は、もちろん美味しくいただきました。2人でケーキを。


そして縫いぐるみは、今はテーブルに寄り掛かるように置かれている。
……何故かこっちへ向けて。


別に、視線を感じているようで居心地が悪いとかはない。
ちょっとだけ、やり辛いと思うだけだ。
何が、とは俺が自分に聞きたい。

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