smooch【BL/完結】
13.あけるまで


今年も残すところ、あと十数分。
盛り上がりの頂点も近づくテレビ番組。

それを見ながら、俺はソファーに座っていた。
膝には、同じくテレビを見る、寝転がった彼の頭を乗せて。


数日前に、大晦日や正月ぐらい、
家に帰らなくていいのかと尋ねてみれば、
どうせ旅行で誰も居ないしと返された。

気分は新婚で温泉に出かけているらしい。
一緒に行こうと言われたが、
彼は、そんなのについて行けるかと断ったそうだ。気持ちは解る。


そんな訳でいつも通り、彼は俺の家にいる。

追い込みをかけている勉強も、
今日と明日は休みにして、特に何もせずにのんびり過ごしている。


でも一応、それらしく蕎麦を食べたり、
冷蔵庫には買ってきた黒豆と栗きんとんが入っている。
明日開ければ、甘いもの好きの彼はきっと喜ぶだろう。

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