菊の花
「私は沙羅様がおっしゃることに従うだけです。・・・しかし、言っても良いのであれば・・・この婚約、受けたほうがよろしいのではないでしょうか」
清煉は無表情で淡々と話す。
「まぁ、相手は悪くないのでしょうね・・・でも、わたしは婚約なんてする気がないわ」
紗羅は残虐的に笑い、清煉はその様子を無表情で見つめる。
沙羅は清煉と視線を合わせると不適な笑みを浮かべた。
城下では牛車が着々と近づいていた。