桜の木の下で。

後夜祭《雄也side》

「・・・」
「先生は・・・踊らないの?」
橘は東雲の親友と言っても過言じゃない。
「・・・橘」
「ん?」
「・・・俺さ・・・好きかも」
「うん、知ってる。仁菜も・・・先生の事好きだと思うよ」
「はぁ!?」
「うん。最近、先生の話ばっかりだもん」
「・・・」
「仁菜誘ったら?」
「・・・」
「・・・せんせ」
「・・・アイツ、どこに居る?」
「部屋にいるよ。ほら、行って!」
橘は俺の背中を押した。
「ああ・・・」

「・・・東雲」
「せんせ?!」
東雲はメイクアップをしていた。
「吃驚した・・・」
「・・・せんせ、ノックしてよ!!」
「悪い・・・」
俺は覚悟を決めた。
「し、東雲!」
「ん?」
「・・・俺と・・・踊ってくれないか?」
「・・・何かおごってくれるんだったら良い」
「はぁ?!」
「・・・冗談」
「んだよ・・・」
「・・・先生」
「ん?」
東雲は俺にデコピンをした。
「痛っ~!!」
「・・・良いよ。先生と踊ってあげる」
「東雲・・・ぇ~・・・」
東雲はほほ笑んだ。
「・・・有難う!!」


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