恋の音楽




「ダメだ!」



「何でですか部長」



「そんな無名に、荒削りなバンドなんて、ダメに決まってるだろ」



そんなに直ぐにオッケーを貰えるわけでもなく。




「それに、どこにメリットがあるんだ」




「メリットはありませんけど、アタシは彼等の才能にかけてみたいんです。」




「しかしな」




「確かに、会社としてはデメリットばっかりかもしれません。けど、そんなデメリットな彼等が上に上り詰めたら凄いメリットになります!!後悔だけはしたくないんです」




「・・・・・・」




「お願いします!!」




彼等の夢を、ここで壊すわけにもいかないんだ。




「・・・分かった。」



「部長!」




「その代わり、まずはインディーズで有名になることだ。それからだ」




「はい!!ありがとうございます。」




「しかし珍しいな。川波がそこまで言うなんて」



「彼等言ったんです。RESETが憧れだって。」




その言葉に偽りはなかったんだ。



「RESETか...」




「はい。アタシが大事に育てた、RESETが憧れなんて嬉しいじゃないですか」




そう。
つい最近まで一緒だった、RESET。そんな彼等を憧れって、嬉しい。
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