徐々に僕は君色に染まっていく
そもそも、彼女は僕を覚えているのだろうか?
あれだけしか話しも交わしてないし
覚えてなくて当たり前だろう
それでも良いんだ
それでも・・・良い

「今日の授業はこれでおわりだ」
はぁ、終わった
今日は部活だからいかなきゃ
でも、何だか気力がわかず段々と皆部活で教室には人がいなくなっていった

『僕もいかなきゃ』
ガッターン
僕が立ち上がったと同時に待っていたかのように
教室の扉が開いた

『・・・ゆ、柚月さん!?』
「あ、すみません。体験入部に誘われたんですけど
マネージャーはちょっと嫌だったんで
戻ってきたんです」
ハニカんだ笑顔で恥ずかしそうにいった

『そうなんだ
何か入りたい部活はないの?』

「うーん、やっぱり入るの辞めようかなと思ってて。あなたは写真部ですよね?」

『そっかぁ・・・ってなんで僕が写真部ってしってんの!?』
あからさまに驚いた様子の僕に彼女は優しく

「だって昨日会いましたよね?」

その一言で僕は天にも昇れる勢いだった
君の記憶に残る事がこんなに嬉しいなんて

徐々に、僕の世界は君中心で回ってく
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