桃色 -ももいろ ももいろ 恋の色-
「じゃあ、ホームルームはこれで終わりです!
生徒は速やかに下校してくださいね」
うちの学校は、寮制だからすぐ学校がそこなんだ。
もちろん、ふつうに家からきてる人もいるだろうけど・・・
よし!
早く帰って、部屋の整理しよ。
がらがら
あたしがドアから出ようとすると
トンッ
顔を上げると、斉藤がドアに片手をおいてあたしを出られないようにしてた。
「なに?邪魔。」
「なぁ、莉乃ちょっとつきあって?」
そう言うとあたしの手を引いて教室をでた。
「ちょっ!!離して!しかも、莉乃って呼んでいいなんて言ってない!」
「じゃあ、俺のこと良哉って呼んでよ。これで "おあいこ" だろ?」
「嫌だっ!誰があんたのことなんて!」
「ふーん。ならいい。俺は莉乃って呼ぶよ。」
「(むかつく~)もぅいいっ!!
どこいってんの??それは教えてよ」
「空き教室。」
「はぁっ!?や、やだやだっ!離せっ!」
「離さねぇ」
なんど振り払っても男の子の力にかなうはずなくて
あっという間に空き教室についた。