これからも君だけ
でも香月は、そんなテンパる私をいちいち気にする様子もなく、ロビーを通り過ぎてエレベーターの前で立ち止まった。
ゴールドを基調としたデザインは、細かい所まで綺麗な模様が施されている。
「陸様、社長と奥様が最上階で待っていらっしゃいます」
前を歩いていた香月が背筋をビシッと伸ばしたまま、私に振り返る
「え？父様と母様が！？」
何でこんな所にいるの？そもそも何でわざわざ別々で行くの？
キツ苦しい帯にイライラ感を覚えながら
チーンっと軽快な音をたてて開いたエレベーターに乗り込んだ
