目覚めた時に

恋の恍惚と不安。

私が目覚めて一週間が経過しようとしていた。

この頃はちゃんと睡眠欲が出るようになってきた。

桐生さんは仕事を再開したらしく、
いつも手にはスマートフォンかパソコンかノートを握っていた。

でも、
前と変わらず私を一生懸命看病してくれる。

少し過保護って言うくらい・・・。

でも、
私は満更嫌じゃなかった。

少しずつ運動も始めた。

体は3年間眠ってたせいで、
すっかり筋力が落ちていた。

私は桐生さんが仕事できるように、
ほとんどの時間リハビリに励んだ。

「私は一人でリハビリしたいの。」

ホントは一人でなんかしたくない。

でも、
私は嘘を付く。

桐生さんお仕事頑張って!と言う気持ちを込めて・・・。

「チセ・・・。」

桐生さんはそれ以上何も言わずに
執筆の為にどこかへ消える。





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