甘い恋には遠すぎて
二人が出てった途端それですか……
『あっ、あとなんか甘いものも食べたいから、やっぱりコンビニ行ってきて。』
有無も言わさず、小銭入れを押し付けられた。
いってらっしゃいと悪魔の微笑みを見せながら、左手を振る莉奈の左手の薬指には、 キラキラ光るシルバーの指輪が。
きちんとした結婚指輪を買うつもりだったのだが、
−銀メッキでいいわよ!赤ちゃん、産まれるのに無駄遣いなんてせんでいい!!−
安いお揃いで買った、ペアリング。
すまんね、俺の稼ぎが悪いばかりに……。
でもな、俺、コツコツお金貯めて、やっぱり安いかもしんないけど、メッキでない、ちゃんとした指輪買ったからな!
小さなビロードのケースに入った指輪をポッケの中で、ギュッと握りしめた。
後で渡そう。
俺と結婚してくれたこととこんなにかわいい赤ん坊を産んでくれた御礼だ。
*注意
通常、入院中は貴金属類は、はずさないといけないところが大半だと思います。物語なのでご容赦下さい。