時の皇子と記憶の舞姫
姫君の誘拐
髪はあたしと同じ青い色。
目の青さは蒼刃の蒼に近い。

目つきはきつくて、生意気そうな…



「ってぇ…ってここ、どこだよ?」

「ここはアクアマリンよ。それより君は…?」

「アクアマリン!?んなわけねぇだろ…アクアマリンは俺の国だ…!!」

「え?俺の国って…?」

「なんだこのチビ。ぎゃーぎゃーうるせぇし、王宮にでも連れていくか?」

「チビじゃねぇ!!つーかお前、俺が誰だか分かってんのか?
俺はアクアマリンの第一皇子だぞ?」

「はぁ?アクアマリンの第一皇子は月叉だけど。
お前…嘘吐くにしても下手すぎんぞ。」

「嘘じゃねぇ!!俺は本当に…ってお前…『あの』星来か?」

「へ?」

「お前…もしかして星来か?」

「え…あたしのこと…知ってるの?」

「お前なら…時空の歪みを直して美羽(ミハネ)のことを…。」

「美羽…?」

「おい!!行くぞ!!」



あたしはその男の子のぐいっと腕を引かれた。



「おいてめー!!待ちやがれっ…!!」

「リターン。」



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