時の皇子と記憶の舞姫
「あなたのお名前は?」

「はぁ?」

「聞いてなかったなぁって。教えてよ。」

「…氷泡雷。」

「雷…そっかぁ…あたしと同じ『氷泡』って名字なんだね。」

「当たり前だろ?王家の人間なんだからな。」

「…だから髪の色もあたしと同じなのかぁ…。
何か不思議な感じ。」

「つまんねぇこと言ってねぇで、何とかしろよ。」

「え?」

「時空の歪み…なんとか出来ねぇのか?」

「だから…やったことないって…。」

「つーか雷、てめぇ、本当にその美羽ってやつが大事ならてめーで何とかすんのが筋だろ?」

「何とか出来んなら俺だってやってる!!」

「…ったくこれだからガキは手がかかってめんどくせぇ…。」

「蒼刃…?」

「…ったくしゃぁねえな…。
とにかくあと3日は帰れねぇんだ。
不本意だし俺らの能力は全く役に立たねぇが、時空の歪みとやらを何とかする術を考えねぇと…。
紫紀とどうにかして連絡つけばマシになるかもしんねぇけど…それも無理だしな…。」

「紫紀さんと…連絡…あ!!」



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