レンアイ 遊興
あきはモテるんだ。
現にほら、こうやって女子達に誘われてるじゃないか。
自覚してないだけ。
「ちょっと〜空くん聞いてる?」
「ん?でもオレ、誰とも踊らないよ?」
女子達に曖昧に返事をして、あきをもう一度ちらりと見る。
「いいじゃん!踊ってよ〜」
「いやだ!何が嬉しくて曲に合わせて踊らなきゃいけないんだ!」
多分、あきの力じゃ女子達を追い返せないだろうな。
「ごめんね、オレ達今から行かなきゃいけないところがあるんだ。ほら、行くぞ」
強引にあきを女子の群れから引っ張って、そのまま宛てもなしに歩いていく。