レンアイ 遊興
「空…っ」
下駄箱で靴を履きかえ、歩き出そうとしたら後ろから声がした。
「知美」
今来たかのような知美の方に向き直る。
「あの…、今日はつくしちゃんと一緒じゃないんだ?」
少し距離を縮めて言う知美の言葉に、少しだけ切なくなる。
「…まぁね」
すると知美はますます距離を縮めてきて、
「ごめんね」
そう言った。
「私、二人に酷いことした。凄く凄くいけないことした。自分勝手なことした。…ごめんなさい」
まさかだった。
普段自分から謝ることをしない知美が今、瞳を揺らしながら謝っている。